システム開発は「投資」から「経費」へ

経営・組織

これまでシステムは、「一度作れば何年も使うもの」でした。5〜7年に一度、まとまった予算で大規模な投資を行い、その投資を年数をかけて償却していく——多くの企業が、このサイクルを前提に経営してきました。AIの技術進化は、このサイクルそのものを変えつつあります。数年に一度の大規模投資ではなく、毎年、極端に言えば毎月アップデートするという形に近づいているのです。

システム開発は、5年に一度の「投資」から、毎月の「経費」へ。
これまで 投資 投資 投資 5〜7年に一度 大規模投資(資産計上・償却) その間も発生し続ける保守費 これから 毎月、平準化された更新コスト(経費)

なぜ「5〜7年に一度」だったのか

従来、システム開発には年単位の期間と数千万〜数億円規模の予算が必要でした。これだけの規模になると、頻繁に作り直すことは現実的ではありません。だからこそ企業は、要件を詰め込めるだけ詰め込み、長く使えるものを一度で作り切ろうとしてきました。まとめて投資し、資産として計上し、数年かけて償却する——コストの重さが、このサイクルを合理的な選択にしていたのです。

何が変わったのか

AI技術の進化で、開発にかかる期間とコストの前提が変わってきています。以前は年単位だった刷新が、数日から数週間で完了する規模になり、都度作り直すコストが、5〜7年ごとにまとめて作るコストを大きく下回るようになってきました。

システムを常にアップデートし続けるべき理由は、開発コストが下がったことだけではありません。AI技術の進化のスピードが、想像を超えています。1年前に最新だった技術が、今はもう陳腐化している可能性が高いのです。

経営にとって何を意味するか

  • 投資計画の前提が変わる。数年分の要件を見積もって一括投資する計画から、継続的な小さな更新を積み重ねる計画へ。
  • 予算の立て方が変わる。単年度の大型予算を確保して稟議を通す形から、日常的な運用予算としてシステム更新を扱う形へ。
  • 組織のあり方が変わる。プロジェクトのたびにチームを招集し、納品したら解散する体制では、この更新頻度についていけません。常にアップデートし続ける体制が前提になります。

「一度作って、長く使う」という前提そのものが、経営の意思決定プロセス・予算編成・組織設計に染み付いています。この前提が変わりつつあるということは、それらすべてを見直す必要がある、ということでもあります。

※本記事の内容は一般的な傾向についての見解であり、会計処理・税務上の取り扱いについては専門家にご確認ください。

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